自分だけ儲かればよいとは思っていない
「中小企業の社長は自分だけ私腹を肥やせればよいと思っている」とよく言われますが、実際はどうなのでしょうか?
それは、社長のみぞ知る、かも知れませんが、私なりの解釈を述べていきたいと思います。
ここからの話は、もしかしたら一年後とか、独立したら変わる考えかも知れないのですが、現時点での考えと言うことで進めていきます。
まず、全国300万社もある中小企業ですので、社長と一括りにしても色々な考えを持っている人がいると言えるでしょう。
基本的には、社長にもなるような人なのですから、面倒見がよかったり、心優しい番長タイプの人が多いことは間違いないと思います。
いやいや、社長独裁のブラック企業の方が多いという予想もあります。
ただ、私の考えでは、ブラック企業は社員全体の雰囲気で作られる傾向の方が強い、とみていますので、今のところは「従業員のことを考えている社長の方が多いはずである」と推測しています。
社員への還元は最小限に
おそらく、大多数の中小企業の社長は自分が冷や飯を食べてでも従業員を食わせる、と腹をくくっている人が大半だと思います。これは間違いないと言い切れます。
ただ、それは冷や飯を食べないといけないくらい困ったら、という前提での覚悟である、という点がミソなのです。
そんな、苦しい状況に追い込まれている社長は300万社のうち、どれくらいでしょうか?
仮に、会社が危機的状況に陥ったら、従業員も転職をしていくのが今の世の中だと思います。
本当に面倒見のいい社長であれば、転職先をあっせんしてくれるところもあるかも知れません。
じゃあ、逆に儲かっているときはどうでしょうか?
見込みに対しての大幅な儲けがあれば、臨時ボーナスとして配給を増やす企業も少なくないでしょう。
しかし、ここで考えないといけないのは、例え臨時ボーナスを出すほど気前のよい社長であっても、社長本人よりも従業員に多く給与を支払う、というような考え・哲学を持った社長はほとんどいない、という点です。
別に私腹を肥やすつもりはなくても、従業員にはある程度の給与しか支払わない、というのが世の常、自然の摂理、とも言えるのです。
・その分を会社の投資にあてる
・不測の事態のときのための内部留保にしておく
・給与を与えすぎたら人は働かなくなってしまう
色々と意見・言い分はあるかと思いますが、とにかく社員への給与はどんなに儲かってもそこそこに抑えられてしまうものなのです。
つまり、心づもりとしては社員にはどんなことがあっても飯を食わせないといけない、と腹をくくっている社長はほとんどでも、ある程度食わせてあげられているから、まあいいだろう、その程度にしか考えていない、ということです。
理想の社会をめざして
前項で、自分の給与よりも多く支払うほどの考え・哲学と言ったのは、実際に支払うかどうか、というよりも哲学とか価値観の問題ではないかと感じるのです。
「自分は、生活資金として500万もあれば十分だから、社員の皆さんには一律1000万円の給与を支払います」なんて言う社長は頭が狂っているとしか思えないですよね。
大手の会社において、年功序列と終身雇用の下で働く多くの人材が、能力を発揮できないのと同じように、中小企業でも十分な給与を与えてもらえずに、目いっぱい働かずに過ごしている人は果てしなく多いと思います。
私が社長になったら、自分より社員に多く給与を支払うだろうか?そう考えたら、今のところノーです。やはり、社長というのはそれくらい負担のかかる職種と思うからです。
ただ、それも条件が異なれば話は別です。一つが、不労所得で生活と少しの娯楽費用を賄える状態に達すれば、考えも変わるかなと思うのが一点。
もう一点は、株主つまりオーナーと社長とが明確に立場が変われば、あり得るかな、という点です。
日本においては、まだまだオーナー社長がほとんどですが、オーナーとなって経営を後継者に任せてしまえば、報酬としては受け取らなくなるので、その事業においては従業員の方が給与をもらっていることになります。
私が事業を興して、成長させて、いずれオーナーになる、そんな日が来るよりも、一生懸命働いて不労所得によって、生活に困らなくなる日が来る、どっちにしても今のところ現実味がありませんが、目標にすることは自由です。
夢は大きく、勇気をもって自分を試す、コツコツと行動していきたいと思います。