敢えて選んだ中小企業
大手企業を退職して、中小企業へ転職した際に、会社を経営している友人から「将来は独立をめざしているのであれば、小規模な会社をもう一社くらい見ておいた方がいいかもな」と言われました。
何となく、その言葉が心に残っており、その後、別の会社へ転職した後に独立を果たしました。
独立を視野に入れて大手企業を退職したのですから、当然、その後に働く会社では、「独立を視野に入れた行動」をとることとなりました。
なるほど、小規模な会社とは言え、それなりに会社としての機関が整っている部分もあれば、大手に比べると泥臭い部分をやっていたり、色々なことが学べました。
例えば、給与明細や経費処理は大手と特に変わりはないのは、会社法で決められていることであったり、社労士さんがついていることもあって、整備されているということを改めて知りました。
人事、総務、経理、などの管理部門の仕事は、ある程度共通化されているようで、会社としてのコアコンピタンスとはなり得ない、差別化が難しい領域です。
DX化も進んでいますし、雇用という断面では無くなることはないと思いますが、最小化の動きは進んでいくと思います。
組織拡大化とマニュアル化
売り上げが上がっていけば、従業員を増やして組織が拡大していきます。
その様子も、実際の小規模企業に勤めることで、ある程度は肌感覚で感じることができました。
この段階でもいくつかポイントがあるのですが、小規模な企業であれば、よほど儲かっている事業が安泰でない限りは、新規事業を取り組むのに従業員を雇入れるのは難しいという点です。
新規事業を立ち上げる際に従業員を雇入れるにしてもパターンがあって、
・新規事業を任せるエキスパートな人を雇う
・新規事業を社長(経営者)と一緒にやるサポーターを雇う
・新規事業のうち、マニュアル化できている業務を任せる
というようなすみ分けができるのですが、いずれにしても社長(経営者)がどの程度まで関与するのか、というところに注意を払わないと、規模の拡大が難しいのが現状のようです。
新規事業は、ただでさえ不安定な事業となるので、そこに抜擢される人材を雇用したとしても、実際に数か月動いてみると状況が変わっていることも多々あり、「雇用契約時と話がちがうではないか」というような事態になり、定着率も低くなるからです。
そこに答えはなく、ある程度は経営者自ら新規事業を立ち上げて、それをマニュアル化して別の人に渡す、というのが真っ当なやり方のようです。
結局は、起業をして規模を拡大したことと同じことを、新規事業でもやる、ただそれだけと言えるのかも知れません。
ゼロからイチにする教科書はない
大手企業から転職して中小企業を2社経験して、さらにその間に、色々なビジネス書等を参考に独立に向けて活動してきました。
その結論としては、ゼロイチを生むための方法論はない、ということです。
強いていうのならば、「行動すること」ということになるようで、その際に気を付けないといけないことは、「できることをやる」「大きなリスクはとらない」といった、抽象的な観念だけです。
自分ができることを、誰かに提供して利益を出す、シンプルに言えばそうなるのですが、それが本当に難しい。
難しいというか、サラリーマンにとって、特に大手で働いている人にとっては、とてつもなく不透明な未知の世界と言えるのです。
さらに、家族をもって、家のローンも支払って、という中年サラリーマンにとっては、未知な世界でないとしても、リスクを考えたら絶対に踏み出せない領域とも言えるでしょう。
実際に、私も2年前は、独立するなんて全く想像もつかない、怖くて怖くて仕方のない世界でした。
ただ、限られた残りの人生を考えたときには、未知でリスクがあっても、行って経験してみたい領域であり、最終的には「後悔だけはしたくない」という思いで動いてきました。
まだまだ駆け出しで、この先の独立人生がどうなるか分かりませんが、このブログでは、転職から独立までの経験談と、独立してからの経験段を発信していこうと決めています。