久しぶりの出会いの中に協業の匂い
前職の手伝いで福岡まで来ているのだが、3日間の現場作業の初日の今日、久しぶりにベトナムからのエンジニアに会った。
彼の設計能力は優秀で、板金や機械加工を駆使した複雑な機構ものをいとも簡単に設計してしまう。
よくよく聞くと、キャリアのスタートはベトナム法人の日本企業の開発部門で設計を叩きこまれたらしく、業種としてはミシンメーカーとのことであった。
とにかく、これからも外注先として繋がっておきたいエンジニアの一人であって、その方から、「5月から育休に入るので仕事が欲しいです」なんて言われている。
彼にお願いするのであれば4月中に何か案件作って、5月からスタートしてもらうのがスムーズであるので、それを前提に動いてみようと思う。
彼も副業で実績を作りたいだろうから、まずは安い価格で設計をしてもらうことを営業としてしっかりとお話をして合意を得てもらうことが重要である。
試作から量産に入って、彼の故郷であるベトナムで生産する、なんて夢のようなことも実現してあげたい、そう思う久しぶりの再会であった。
いずれは大手を相手にするのか
作業というのは、とある大きなビルの施工を自動化するプロジェクトに参画していて、今回はその一部のロボットを操作する役割として呼ばれている。
1日だけレクチャーを受けただけでは、やれることは限られているのだけれど、サポートしてくださる台湾からのエンジニアのおかげで、何とか初日は乗り切った。
大手企業が相手となるプロジェクトは単純にしんどいというのは、去年から感じていたことなのだが、事業がある程度大きくなった時には、大切な収入源としてお付き合いするには、上等手段であると思う。
何よりも大きな受注額を安定していただける可能性があるのがメリットである。
逆にデメリットとしては、失注したらそれで終わりという怖いことが起きるので、一社に頼りすぎる経営をしないように心がければよいのではないかと思われている。
ただ、今、経営理念として掲げている「お客様に寄り添った事業」という断面でいくと、大手企業はお客様が組織化され過ぎていて、少し理念通りの事業活動ができないと考えている。
「大手であっても現場のお困りごとを解決すれば、それは寄り添った形になって感謝される」ということも分かっているが、大きな組織相手であると、やはりどこか建前のように感じてしまっていて、特にこれからの時代は、転職が当たり前となると、現場の担当者も優秀であればあるほど入れ替わりは激しくなるだろうから、なおさら永続的に寄り添った提案は厳しくなっていくと考えるからだ。
そして、現場には、言われたことをやれる人だけが残るようになる。
正に、今日の現場では、1000人ほどの職人が毎日入れ代わり立ち代わり作業に入っているのだが、本当にピンキリの人々がたくさんいる。
大手企業から派遣されている人や、地域の中小企業、小規模な施工会社、一人親方などだが、いわゆるキツイ仕事であることは間違いなさそうで、会話もうまくできないようなヤバそうな人も中にはいらっしゃるのは事実である。
とは言え、こういった大きなお金が動くプロジェクトにかかわることも、一つ安定した収入を得られる可能性があるので、何か取り組めることがあればカードの一つとして持っておこうと思う。
時間の切り売りをしてはいけない
残り2日間、今日のように丸々12時間以上を取られてしまうのであれば、本業を何もできなくなってしまう。
これは事業立上げの間に少しでも売り上げをもらえたらという覚悟で契約を延長したものであって、依頼をしてくださっている役員の本部長も「次もお願いします」とおっしゃってくれているので、できる限りサポートはさせていただければと考えている。
これはこれで、今後の戒めとして、経営者は時間の切り売りをなるべくしてはいけないということを身に染みて感じるところだ。
現場感覚を持ち続けることは重要なことだが、それだけで1日を終えてしまうと、大きな機会損失を生む恐れもあるし、何よりも自分自身のマインドの落ち込みが半端なくなる。
「今日も現場作業で充実した一日だ、ビールを飲もう」なんて思ってしまうと、経営者としてはドツボにはまる。
明日の現場作業で事故を起こしたら大変だから、十分に休養をとらないといけないが、ホテルでできる限りの仕事は進めたいと思う。