友人の社長から学ぶこと
幼馴染の友人が、土建業で鉄骨関係の会社を立ち上げて社長をしている。
既に社長業としては20年を経過しているので、話を聞いていてとても参考になる。
小さい頃から知っているので違和感はないが、中卒の彼と大卒の私が仲良くしていることは、他の人が見るととても不思議な光景のようなのだ。
彼と会うときは基本的には遊びのときであるが、くだらない会話の中にもいつも学びがある。
今回は、彼がなぜ20年も従業員に飯を食わせて、企業として存続することができたのか、という点だ。
「最近はどお?」「最近は夜勤が多いよ」「なぜ夜勤なの?」「駅の改装工事だからだよ」
これまではピンとこなかったのだが、独立して毎日事業のことを考えていると、この「駅」というキーワードに、事業安定化のポイントがあると気が付くことができた。
本人としては、あくまでも「たまたま」というのだけれど、この駅の仕事をいつの時か引き受けて、次の仕事も引き受けることに成功して、信頼をしてもらえて、そして、続けて仕事が入ってくる仕組みを作ることができているのだ。
駅の改修といのは、何十年に一度のことであるのだが、それぞれの駅で何年もかけて計画が進んでいくことであり、受注見込みの計画が立てやすい。
さらに特に高架工事となると、都心から少し離れた地域では、毎年複数の駅で着工されている状況であることは容易に想像がつくし、数年先まで安定して仕事が見込めるのも重要なポイントだ。
マーケティングの視点でみれば、一つの企業が生存し続けるために狙いを絞る市場としては、駅の工事は理にかなったポイントであるが、ここの市場に入り込んで、信頼を得て、継続して仕事を受ける、という流れは、狙っただけでなく、しっかりと結果を出していくことが大切なのは言うまでもないが、入口に入るきっかけは、偶然のラッキーとしか思えないと彼は言うのだ。
偶然のラッキーを引き寄せるには何が必要なのか、これは難しい問いであるが、偶然のラッキーを引き寄せられないNGな行動、言動、マインド、というものは何かありそうな気がする。
中卒の彼から学ぶことは多い。
土建業で何かできないか
その土建業の彼が、私の状況を聞いて、必死に何か案件のアイデアが出てこないか、考えてくれている。
橋桁の撤去作業一つ取って見てみても、特許を取得している企業もあって、よく分からないが、何か商品開発につながる可能性があるのではないか、と言っているのだ。
確かに、紹介してもらった中堅土木企業のサイトを見ると、工法で色々と特許を取得されているようであった。
大手ゼネコンと連盟の特許が多く、恐らくは大手が開発費を支払って開発受託をした工法を共同権利取得したものなのではないかと推測している。
土木系の大きな建機を設計するノウハウはないので、ちょっと協業することは難しいと感じているが、どこにビジネスチャンスがあるのか分からないものである。
何よりも、一生懸命、アイデアを考えてくれているところに、嬉しさを感じるし、何か協業できるものが生まれたら、楽しそうだ、という気持ちにさせてくれる。
このように彼のような前向きの姿勢が起業家には必要なのだ。
技術か営業か
事業を立ち上げることに必要なことは、技術なのか営業なのか、という問いがついて回る。
実際に事業を開始してみて思うのは、圧倒的に必要なのは営業力ということだ。
ユニクロの柳井さんが言う「場末のまんじゅうや」の話ではないが、どんなにいいものを作ったところで、売れなければ意味がなく、どうやって集客するか、どうやって注文をもらうか、そこを考え抜かなければ、事業は終わってしまうからだ。
「営業ができる社長」これを理想像に、今からでも色々とスキルを身につけていかなくてはと言い聞かせるようにしている。
もっと言うと、「社長という立場での営業のやり方」というのがありそうな気がしているので、そこにこだわりを持って研究を進めていく。