協働ロボットについての考察
午前中に一件、協働ロボットを販売している代理店とオンライン打ち合わせを実施した。
内容的には企業説明と取り扱っている協働ロボットの紹介であったが、こちらが聞きたかったのは、どの方面によく売れているのか、という点である。
協働ロボット言っても、本体だけでも200万~300万はするし、グリップの部分と台座の部分の設計を合わせたら500万円はする代物だ。
効率化を考えている中小企業にとっては、さほど費用対効果を生むようなものではないことは分かっているので、導入先が気になっていた。
回答としては「人手不足で人を雇いたいけど雇う人がいない現場に導入されています」とのことで、人がやる作業の横で一緒に作動させて動かす用途で購入されるというのだ。
まさに協働ロボットというオチになるのだけれど、この視点はとても重要なので覚えておかなくてはならない。
人を雇う代わりにロボットを導入する、本当にそういう世界が来ているのだと再認識させられるコメントであった。
ROSについての考察
午後からは5時間丸々、ROSについての初歩講座を受けることにしていたので、受講した。
ROSは非営利団体が運営するロボットをコントロールするためのシステムで、フリーで入手できるために絶対に今後使うことになるシステムだ。
- センサーとの通信を実行する
- 関節を動かす
- 3次元の座標で位置を特定する
- SLAMでマップを作成する
といった、ロボットの基本的な機能をパッケージとして盛り込んだシステムソフトであるが、これを機械に導入してロボットを販売するという概念が日本の企業にはないということを再認識した。
日本で世界有数の産業ロボットは、各社それぞれでシステムを構築する技術と体力があったために成し得たのであって、それ以外の大手企業は、割と面倒なロボットシステムを構築しようとは思わなかったのだ。
だから、意外と中堅の企業が協働ロボットやサービスロボットを開発しているというのが現状で、それらは全て中国メーカーに大きく後れを取っていると言わざるを得ない。
どうしても中堅メーカーとなると、量産のノウハウがなかったり、自社製品開発のスキルが低かったりするものだから、仕方ないのだけれど、ROSを上手く利用して、それでも品質を担保できると言い切ってロボット開発をしなかった大手企業のコンプライアンス重視の新規事業に取り組みにくいという、国民性のようなものが要因に影響をしているとも見ている。
いずれにしても、我々のような小規模事業者は、ガンガンROSを活用して自動化や省人化に寄与する何かを作り続けなければいけない。
外注候補は弱みを補強する出会い
そのROSの講習会の講師の方と、講義終了後に挨拶を交わさせていただいた。
経験も豊富な方であるが、意外と独立したてともおっしゃっていたので、早めに連絡を取り合って仲良くなっておき、何かの折にはアドバイザーか実際に設計をしてもらうのもアリと思える方であった。
小規模事業者同士は、競合でもあり協業相手にもなり得るので、とにかく連携をしてよい関係を築いていくことが大切であると最近は思えるようになってきた。
持ちつ持たれつの関係が取れれば、お互いにギブアンドテイクできるだろうし、紹介や丸投げ外注など、売り上げを上げる集客活動としては欠かせないことである。
同業者に競合はいない、ということは肝に命じておかないと、変に独り占めをするようなことをしてしまったり、助けてもらいたいときに助けてもらえない状況に陥ったりするのだろうと思う。