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神社はパンパン、お寺はナムナム、願い事は叶うのか!?

由来は分からない!?

妻と付き合って何回目かのデートだったと思います。桜の時期に花見で有名な観光地を歩いていると、何かが祀られている小さな祠(ほこら)がありました。賽銭箱が置いてあるのでお金を投げ入れようということになり、2~3メートルと少し距離のあるところから、二人で同時に投げ入れてお祈りをしました。

後ろには数組のカップルが並んでいたのですが、何と、私たちの次のカップルも、ちょっと首をかしげながら同じように離れたところからお金を投げ入れて手を合わせているのです。後続のカップルたちも何組か同じような作法でお祈りしていました。

さすがに、帰り道に戻ってきたときには投げ入れている人はいなく、近くから落とすように賽銭箱へお金を入れていましたが、私たちの後続の何組あは、何やらご利益がありそうな祠なので、作法を気にして前の人がやっていたのを真似してしまっていたようなのです。

日本人の特徴なのか、エスカレーターで左右に分かれて乗ってしまう行為も同じような例かと思います。偶然に始まったやり方が、長年かけて正式な作法やしきたりになっているというものは、他にも世の中に溢れているのではないでしょうか?

二礼二拍手一礼

時が流れて、私たちは結婚し家族も増えました。今では二人でデートすることはありませんが、初詣など、子供と寺社仏閣へ行く際には、簡単な作法は教えるようにしています。最近は、なぜ仏壇やお地蔵様の前では手を合わせるだけなのに、神社はなぜ拍手を入れるのか、をよく聞かれます。

ちょっとWEB検索してみると、諸説ありはっきりした由来はなさそうなのが正直なところです。今では、神社では二礼二拍手一礼が基本作法となっていますが、どうやら明治以降に決められた作法のようです。

明治とは意外と最近の話ではありますが、神社の神殿で行われる神事の作法は、古事記や日本書紀といった神話の頃、1500年以上前から受け継がれているものでしょう。お参りするときの作法も、明治よりも前から全国各地で似たような所作でお祈りしていたのだと思います。

諸説あって、わからないのであれば想像するのは勝手です。もしかしたら、先の賽銭投げ入れの話ではないですが、最初の一人目は、日本のどこかの地域の誰かが二拍手をしたのが始まりだったのではないでしょうか。

そして、年月をかけて徐々に全国に広まって、似ているけどもちょっとずつ地元ルールでなされていたのが、明治の頃から作法として統一されていった、ということかも知れません。

散歩でついつい祈ってしまうのはなぜ?

早朝散歩も習慣となって半年以上経ちました。お地蔵様の前を通る時には、手を合わせて家族の健康を祈ります。稲荷神社では、商売繁盛、仕事がうまくいきますように、と拍手をして祈るようにしています。

子供の頃誰もが、手を合わせて願い事を言うとかなうと教えられたかと思います。私も漏れなくそう教わりましたが、いつしか願い事は祈っても叶うわけがない、と思う時期がありました。そして、大人になり、いろんな経験を経てまた祈るようになっている、というのは不思議なものです。

困ったときの神頼み、というわけではなく、何となく心を無にしてただ祈る、散歩とセットでパンパンとナムナムも習慣となっている、ただそれだけなのですが、ある時、ああこの祈りは瞑想とかマインドフルネスの一種なのかも知れない、そう思うようになりました。

願い事は叶うもの

マインドフルネスは単なる瞑想でしょと思われがちですが、今目の前にあることに集中するためのイメージトレーニングのようなもので、イチロー選手など、スポーツ選手も多くが取り入れているようです。

心と体、体を意のままに操るスポーツ選手は、日ごろの丹念により、試合前に集中力を高めたり、ここ一番でのゾーン状態を実現できたり、自分なりの所作を身に着けていると言われています。

神社やお地蔵様にお願いごとをするときも、手を合わせることで手のひらに意識を集中させ、家内安全や商売繁盛を祈るというのは、その一瞬でも将来の自分や家族をイメージして脳に焼き付けている行為なのだ、と解釈をするとスッと胸落ちできる自分がいました。

あの一瞬だけでも、心と体を一体にさせて、お願いごとをする、一種のスポーツ選手の集中力を高める所作をしているのだと捉えるのです。そのやり方は、長い年月をかけて日本人が編み出した、幸せになる統一の所作なのだ、とも言えます。

パンパン、ナムナム以外にも、宗教は違えど祈るポーズは、両手を握ったり、同じ動作を繰り返したり、何かしら体を使っています。

もしかしたら、日本だけでなく、全人類、心と体を一つにして祈ることで、今の不安を取り除いたり、将来像をイメージしたりすることができ、快適な人生を送れるという術を身に着けてきた、ということなのかも知れません。

何はともあれ、神様にお願いすれば願い事が叶う、というのもあながち嘘ではないのかな、と思い、商売繁盛と家内安全を毎日祈っている今日この頃です。

ABOUT ME
ゆうため
1978年生まれ 首都圏出身 地方都市在住 技術者として一部上場企業で20年勤務 独立めざして中小企業へ転職 コンサルティング会社からロボット会社を経て起業独立