火が付いたデバイス製作
朝一で温調デバイスの社長と面談を予定していたので、朝からバタバタと準備をして、いつもの商工会のカフェエリアに赴いた。
急きょ呼ばれる形となったのは、どうやら先週学会に参加してきて色々と引合いをもらえたから、その報告と情報共有が主な内容であった。
仕様については、材質も含めて色々とあるが、結局は誰も答えを持っていないのだから、「えいや」で決めて進めてしまおう、という運びとなった。
つまり、もう製作を止める要素は何もなくなったので、いよいよ10台を作らなければいけない状況に追い込まれてきたということだ。
面談の後半は、社長が製作の候補業者にと呼んでくれた営業の2名とお会いしたのだが、それは既にこちらも旧知の業者であったので、深い話をすることもなく、将来的な量産の際には一緒にやりましょうという話をしてその場はお開きとなった。次の予定もあるので、スケジュールの線を引くという約束をして事務所に急いで戻ることにした。
次の予定というのは、その温調デバイスの重要部品の一つであるグラファイトのメーカーの方との熱伝達と熱伝導についての考察を深めるというディスカッションを実施した。
こちらも、深い話は色々とあるが結局のところは作ってみないと分からないという面が多く、いよいよ障壁が全てなくなり、作るしかないという状況になってきた。
今週、木曜日と金曜日は設計に時間を充てる。
融資について見切り発車
グラファイト業者との打ち合わせの後は、すぐさま信用金庫に訪問して、個人情報保護についての誓約書と融資についての申請書に押印をしてきた。
株式会社の代表取締役としての押印は初めてのの行為であったため、社印を押す際にインクのにじみを発生させてしまって、押しなおしをすることとなった。
とにかく、ここまで検討いただいたのだから、何も融資が下りないということはなさそうであるし、口頭では500万円をマックスとして、無理であったら補助金の費用となる200万円を最少額としてまずは着金するとおっしゃっていただいた。
その後、300万円については、別の事業計画を立てて一緒に検討しまようという運びとなったし、将来的には次は3期分の事業成績を見ての融資ということになるとのことで、そこまで一緒にやっていきましょうということも、やんわりと話ができた。
とにかく、補助金もお尻に火が付いた状態であるので、できる手配は進めるように、こちらも次の木曜日と金曜日の事務作業で進めることにする。
まだまだ案件はいくらでもある
信用金庫の後は短い昼食を入れて、すぐさま大手とのオープンイノベーション交流会に参加するために、セミナー会場へ移動した。
内容としては、大手化学メーカーの新規事業の取り組みを一緒にやる中小企業を募集するということで、「肌から電気的に投入する薬のデバイス」「バイオ由来の潤滑油材料」「特殊素材の断熱材」の紹介があって、その後にポスターセッションを実施するという流れであった。
この手の大手とのオープンイノベーションのコラボには、今の事業規模では応募できないと、前々から感じているところなので、名刺交換の際の会話にも苦労する流れとなるのだけれど、組織の課題とか何かしらトピックスを探りながらご挨拶をさせていただいた。
中でもバイオ由来の潤滑剤といところで、「特殊な実験治具」を作りましょうか、という話を振ったときに、少し表情が変わって、何かお願いすることがありそうだ、というコメントをいただいた。
どうなるか分からないし、大手化学メーカーということもあって、尻込みをする部分もあるが、一つ案件として交流を深めてみようかと考えることにした。
オートクレーブにMRIをくっつけるとか、ディスペンサーに硬化用のUVを搭載する、というように、何かしらのアイデアがありそうな雰囲気であった。
大手なので購買も厳しいだろうから、まずは、数十万から100万円くらいの案件としてどうだろうか。