仕事・転職

部下が言うことを聞いてくれない

新任課長になって初めて部下ができたのですが、全然言うことを聞いてくれないので、
どうすればよいでしょうか?という相談を受けました。隣の芝生は青く見えるではないですが、彼と同期の別の部署の課長は部下に恵まれてうらやましい、とも言っています。私なりの解決方法をお伝えします。

言うことを聞かない、その瞬間に何を言っても無駄

部下を持たせてもらって初めの頃は、部下の行動が気になるものです。ちゃんと仕事をしてくれているか?自分が言ったことを忠実にこなしてくれているか?どうしても目を光らせてしまいます。

そうこうしていると必ず、目に余る行動をしていたり、自分が言ったことを聞かずに違う行動をしていたり、注意したくなる場面が出てきてしまいます。

その際に、あなたならどうしますか?

第一に、大切なことは、注意する場合には、その瞬間は注意するのをやめておけ、です。

注意したり、指導したりする場合には、発した言葉を相手が受け入れて、納得し、次の行動を起こす際に改善してくれることが目的となります。

今、間違った行動をしているときに、部下が忠告を受け入れる心理状態になっている場合には注意する意味がありますが、大半はそんな状態にありません。

中には、上司からの指示を納得できずに、あえて違う行動を起こしている場合もあります。そんな折に、注意などしようものなら、余計に反発を招き、事態は悪化するのは目に見えているからです。

学園ドラマにありがちな、反抗期の中学生に、単に上から目線で注意して、返って学校が乱れていく、という状態と同じです。

おねだりしている小学生に対して、おねだりしている最中に注意しても、絶対にまた次の買い物でおねだりをするものです。兄弟げんかをしている子供に、けんかはやめなさい、と言っていも、また繰り返す、、、お子様をお持ちの方なら誰もが経験することかと思います。

しかし、例外もあります。本当に危険にあったときや、ミスをして気持ちが落ち込んでいるときなどです。人は、感情が伴った場面のことはよく覚えているもので、記憶に定着しやすいと言われているため、忠告を受け入れる体制になっている場合があります。

もう一度、子供を例にすると、車に引かれそうになったときに、だから飛び出しは危ないと言ったでしょ!と忠告したり、転んでけがをしたときに、だからポケットに手をいれて走らないと言ったでしょ!というように、記憶に定着しやすい場面での注意は効果があります。

しかし、誰もが危険な目にあったり、ミスして気持ちが落ち込んだりしたくないものです。業務上であればなおさらそう思うことでしょう。ではどうすればよいでしょうか?

普段の穏やかな心の時に言うことを聞くように伝える

まず大切なのは、普段のコミュニケーションです。朝の何気ない挨拶からの会話、天気のこと、健康のこと、週明けなら休日のこと、自然と会話ができる雰囲気作りが大切です。

意思疎通のとれる土台作りができたら、打ち合わせ会議の時など、仕事の話になったときに部署の方針やタスクの価値、望む取り組む姿勢などを伝えるようにするのです。

何かが起きてから何かをする、のではなく何かが起こらないように日ごろから予防をする感じです。歯の治療も、私たちが育った時代には対処療法でしたが、予防療法に注力するようになり最近の子供は虫歯が劇的に少なくなっています。

きっと、日本の教育は対処療法的な教えが多いのだと思います。クラスで問題が起きたらクラス会議が開かれる、テストで問題が出るから勉強する、業務効率を上げるために改善活動をする、常に頭の中が対処療法的な発想になっているのです。

コミュニケーションが取れて、取り組む姿勢や方針を伝えられたら、仕事をする技術を身に着けてミスをしないようにするだけですが、人は簡単には動いてくれないものです。

人を動かすと言えば、この言葉しかありません。
「やってみせ、言って聞かせてさせてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
連合艦隊司令長官 山本五十六の有名な言葉です。

戦時中の上下関係が厳しい時代、パワハラしかない時代です。さらにその組織のトップ中のトップの人間がこういうのだから、人はパワハラでは動かないものなのでしょう。

そして、この上司の言うことを守っていたら、仕事がうまく回る、業績が上がる、いいことがある、と共感してもらえるようにしていきましょう。

指示や目標の伝え方が間違っていないかを確認する

嫌われる勇気という本が大ヒットしましたが、その中で主張されていることの一つが原因他人論をやめるということです。

全ては自分に原因があるのだと捉えて、自分が部下に対応した行動や発言を振り返り、適切であったかを確認するとよいでしょう。

部下とは言え、立派な大人で子供ではないのだから、急に変わるものではありません。そもそも人を変えることはできないと割り切り、だったら自分が変わろうという姿勢が大切になってくるのです。

そして、原因を自分に向けたときに、もう少し深堀して、なぜ自分は部下に仕事を与えて、指示通りに動いて欲しいのか、自分がなぜ仕事をしているのか、目的を考える癖をつけましょう。

自分の目的に対して、組織の目標は?会社の理念は?タスクを達成する意味は?常日頃から意識して行動・発言していれば、自然と部下もそれに習って行動してくれるものです。

ビジネスの基本はWin-Win-Win

- 原因他人論にならずに、自分に原因があるのだと考え、自分の行動と発言を見直す
- 与えた仕事がWin-win-winの関係が築けるものであっただろうか
- ある韓国人の部下の話
- 上司には部下を動かせる特権があると思うのは間違いではないが、人事権を得られるまで成果を出す必要がある

ABOUT ME
ゆうため
1978年生まれ 首都圏出身 地方都市在住 技術者として一部上場企業で20年勤務 独立めざして中小企業へ転職 コンサルティング会社からロボット会社を経て起業独立