転職が当たり前の時代
思い返せば、20年間一つの会社に勤めている間、常に転職したいと頭にはあっても具体的に行動できない自分がいました。
20代のころは、仕事が楽しくなりつつ、それなりの給料をもらって不自由なく生活ができていたというのが大きかったと思います。
30代になって結婚を意識するようになっても、職場の雰囲気や仕事の質からまだまだや れると考えていました。
仕事の質という面では、メーカー開発に所属していましたので、製品化プロジェクトをまとめる役割を経験するのが一つのステータスのような面もありましたので、その仕事に没頭していたのが30代半ばまでといった感じでした。
とにかく、色々な経験ができるのであれば同じ会社でいよう、そう決めていたと今になって言語化するとそうなりますが、どうしても経験として必要なのかどうか最後までなやんだのが、管理職というやつです。
市場価値を高める
課長、部長、役員、といったところがサラリーマンとしてのステップアップのビジョンなのでしょうけれども、技術職の人は管理職を狙って就職する人は少ないのではないでしょうか?
理系教育の弊害とも思うのですが、もれなく私もいわゆる出世というものにはあまり興味のない人間でした。
高校、大学と理系で勉強をして技術者をめざすことになったわけですが、この辺りの教育の闇についてはこのブログでも考えを書いていきたいと思います。
さて、家族も増えて転勤や子育て、新築購入などのイベントをこなしていくうちに、体調管理の維持が難しくなってきた歳を迎えてしまいました。いわゆる厄年というやつです。
あるとき、体調不良から入院をすることになったのですが、退院時に病院の先生から歩くことを勧められました。朝活を始めるきっかけです。
散歩をしようと、毎朝4時半に起きて朝活を始めてみると、時間が余るのです。その余った時間を仕事や考えの整理の時間に充てました。
自分のことや家族のこと、将来のこと、今までのこと、メモを取りながら頭で考えていることを書き綴るだけなのですが、これを半年も続けていると何かが変わってきたのだと思います。
とにかく、このまま会社にいては、会社にぶら下がるだけの人生で終わってしまう。かと言って、会社の看板を外して自分の市場価値を自分に問うてみても、人脈もなければ経験もないことに絶望感を抱きました。
「これはまずい」ということで、転職サイトや転職エージェントに登録して、自分の市場価値を確認するようになりました。
一方で、社内で仕事をしながら市場価値を高めようと、社外に目を向けて色々と活動してみました。
大手ともなると社内政治ががちがちになっているところが多いと思いますが、そんな会社で、社外に目を向けて行動すると社内の部署間で摩擦が生じるのです。
社内のもめ事も嫌いではないですが、残りの社会人人生を考えたときに、社内政治の楽しさに一喜一憂している場合ではないな、そう考えるようになり退職することにしました。
小さなビジネスが広がる時代
大手企業は社内政治だけでなく、社内ルールもガチガチです。WEBマーケット一つとっても、社内ルールから変えないと販促すらできない、そんな企業も多いはずです。
マーケット戦略しかり、すべてにおいて社内承認が必要となるのですが、一番の懸念は、その承認ルートの多さから、戦略立案の内容が「普通」のものになってしまうということです。
誰が見ても儲かる戦略なんてありはしません。「ちょっとリスキーだな」って思うくらいでないと、事業なんて成功しません。
であるのに、承認ルートが増えていくと、保身になっているサラリーマン上司から承認をえられなくなるのです。
そうして、却下・修正を繰り返すうちに、戦略案も普通の案となってしまい市場価値のないものとなってしまうのです。
これはもう、会社を飛び出して、小さなビジネスでもいいから、何かを始めて、自分で自分の市場価値を高めて、次のステップへ進もう、そう考えるようになったのです。