大手から中小企業に転職して感じるのは、仕事ができることと収入はそこまで一致しないということです。
中小企業の社長を見ていると、「もっと優秀な人は大手にはごまんといるのに、中小企業の社長の方がはるかに収入が多いのは何でだろう」という思いが強くなります。
その理由を現在感じている点を交えて考察したいと思います。
学歴のゴールが就職活動になっている
学校の勉強ができて、進学校に通い、一流大学を卒業する過程の最終ゴールは、新卒一括採用に行きついてしまうからです。
私の経験からも、「いいところに就職するために偏差値のいい高校・大学に進学するのだ」という教えが染みついていたように感じます。
同級生を見ても、9割くらいが偏差値教育のラインに乗って新卒一括就職しています。
もちろん、義務教育はもとより、高校のカリキュラムや大学で学ぶ学問の中に、稼ぐ方法を系統だてて教える教科がないことも理由の一つだよく言われているのも分かります。
しかし、学問である以上は、系統だてて学べるようになっているべきであるのに対して、稼ぐ手法というのは正解がなさすぎるのだと思います。
科目として学ぶことができないのであれば、少なくともロールプレイやディスカッション、または事例紹介などで小さい頃から「どうすれば豊かに暮らせるために稼げるのか」ということを教えていくべきではないかと考えています。
勇気がない
一流の大学に出ている人が、世の中のことを知らないわけがありません。インターネットが普及して2ちゃんねるが流行り出した時代に就活をしていた私の世代なんて、新卒一括採用の就職を選択しなくても稼ぐ方法はいくらでも探せたし、知っていたと思います。
それなのに、なぜ大手企業に就職して、いつの間にやら出世争いや老後の心配に頭を悩ませるようになってしまったのでしょうか?
私自身の当時の思考を振り返ると、「勇気がなかった」の一言に尽きます。自己分析などをやって、自分に向いている職業を無理やりあてがってエントリーしていただけです。
もちろん、当時はそのつもりは全くなく、自分の能力を一番発揮できる会社に入りたいと心底考えたものでした。
就職活動も就職サイトからエントリーするようになった時代で、今思えば、受け入れる企業と就職サイトを運営する会社がWin-Winを築けていただけであって、本当に学生のために一括採用があったのかは疑問です。
今や、転職ブームですので、転職も誰かが得をする仕組みができつつあるのではないでしょうか?
誰に踊らされるわけでもなく、自分で考えて、勇気を出して行動する、これが優秀でも収入が伸びない人に必要なことなのだと思います。
チャンスがない
普通のサラリーマン家庭で育った人であれば、大学を卒業してすぐに独立したり、数年働いた資金を元手に独立なんて、よほど特殊な職種につかない限り難しいでしょう。
コンサル
飲食や美容などの店舗経営
税理士などの士業事務所
建設・工務店
といった職種にラッキーにも就職した人は、私の周りでもそのあと独立している傾向にあります。もちろん、独立を視野にこういった職種を選んでいる人も多いです。
しかし、私の世代で社長をしている人の中で一番多いのが、家業を継いだ人たちです。40代半ばと言えば、親も年を取ってきて、世代交代の年代なのでしょう。
多少経営状況が悪くても、人的資産、物的資産、顧客や知名度があれば、経営立て直しもできるでしょうし、普通の家庭に育った人には訪れないチャンスだと思います。
何もしていなくてもチャンスが巡ってくる人がいるのに対して、自ら学んで勇気を出して行動しないといけないなんて理不尽だとは思います。
思いますけど、だからといって行動しない理由にはならない。やはり思い立ったら行動するのが大切だと思います。
そして、チャンスを待ち、目の前に来たら逃さないように、しっかりと準備をしたいと思いう今日この頃です。